【第5回】現場で起きた行動変化と成果——小さな一歩が大きな変化を生む瞬間
- watanabe nobuyuki
- 9月17日
- 読了時間: 3分
こんにちは。
第1〜4回では、「なぜ経験学習なのか」から始まり、続けさせる仕組みやチーム学習の工夫についてお話ししてきました。
今回はその成果編として、実際の現場で起きた行動変化や成果ストーリーをご紹介します。

◆ 「毎日の声かけ」が関係性を変えた
ある生産現場のラインリーダーの週報に、こんな一文がありました。
「毎日パートさんに声をかける」
最初は、ただの挨拶や軽い世間話。しかし、これを数週間、淡々と続けた結果——
これまで距離があったパートさんが、残業の相談をしてくれるようになった
ちょっとした悩みごとを打ち明けてもらえるようになった
チーム内の空気が柔らかくなり、仕事の依頼や相談がしやすくなった
この行動は決して派手なものではありません。
ですが、「続ける」ことで、現場の人間関係と働きやすさが確実に変わっていきました。
◆ 数値で見える変化もあれば、感情でわかる変化もある
経験学習の良いところは、変化を“数字”と“感情”の両面で捉えられることです。
数値化できる変化→ 行動回数、提出率、選抜された回数など
数値化しにくい変化→ チームの雰囲気、話しやすさ、信頼感の高まり
例えば、ある営業チームでは「お客様への訪問後、必ず2つ以上の質問をする」という行動を週報で振り返っていました。
最初は「やった/やらなかった」のチェックだけでしたが、回数が増えるとともに、「相手の課題を深く聞けた」「商談の幅が広がった」という感情的な成果も出てきました。
◆ 振り返りレポートの“質”が変わる
定期的に行っている月1回の振り返りレポートでは、文章の質そのものが変わっていくのもよく見られます。
最初は断片的な短文だったのが、
だんだん理由や背景まで書くようになり、
読み手にとってもわかりやすい文章に成長していく
そして、この文章力の変化は、本人の思考の整理力や説明力の向上とも直結します。
結果的に、会議での発言や資料作りでも変化が見えてくることが多いです。
◆ 小さな一歩が、周りを動かす
印象的だったのは、ある受講者の行動がチーム全体を動かしたケースです。
その人が続けていた「お礼の一言を必ず伝える」習慣が、他のメンバーにも自然に広がり、チーム全体の雰囲気が明るくなった——そんな変化もありました。
このように、一人の小さな行動が波紋のように広がるのが、経験学習の面白いところです。
◆ 次回予告:9/24(水)
第6回では、長期的な成果と組織定着のポイントについてお話しします。
単発の成功で終わらせず、翌年や次の世代にどう引き継ぎ、文化として根付かせるのか——その仕組みと工夫を解説します。


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