【第7回】経験学習を成功させる5つの原則——導入から定着までの総まとめ
- watanabe nobuyuki
- 10月1日
- 読了時間: 3分
こんにちは。
この連載では、第1回から第6回まで、経験学習を使った研修の考え方や仕組み、 現場での成果や定着方法についてお話ししてきました。
最終回となる今回は、その全体像を「成功の5つの原則」として整理します。

◆ 原則1:やって終わらせない仕組みを作る
1日や2日の研修で終わらせず、研修後も行動と振り返りを続ける仕組みを組み込みます。
日報・週報・月報など、短期〜中期の振り返りサイクルを設けることで、 「やったことが身になる」状態を作ります。
◆ 原則2:短いスパンでの振り返りで習慣化する
振り返りの間隔は短ければ短いほど、行動意識が定着しやすくなります。
日報 → 小さな気づきの積み重ね
週報 → 行動の継続確認と改善点の抽出
月報 → 成長の実感と次の目標設定
短いスパンの繰り返しが、「振り返ることが当たり前」という習慣を育てます。
◆ 原則3:見える化と相互評価で質を高める
提出率や内容の質を上げるには、見える化と仲間からの評価が有効です。
メーリングリストで全員に提出状況を共有
他の人の良い文章を選び、その理由を書く
定期的に選抜回数を集計・共有
これにより、「見られている」意識と適度な競争心が生まれ、アウトプットの質が 自然と向上します。
◆ 原則4:チーム学習とOB活用で離脱を防ぐ
チーム学習 → 仲間同士で学び合い、支え合う文化ができる
OBフォロー → 続けるコツや乗り越え方をリアルに伝えられる
縦と横のつながりがあることで、一人では続けられない壁を超えやすくなります。
◆ 原則5:経営・管理職を巻き込んで文化にする
経験学習を組織文化にするためには、経営層や管理職の関与が不可欠です。
上司が振り返り内容を1on1や会議で取り上げる
成果や行動変化を評価・表彰に反映する
成長事例を社内で共有する
トップダウンの後押しがあれば、経験学習はイベントから文化へと昇華します。
◆ まとめ
経験学習は、理論ではなく「現場の変化を生むための考え方と仕組み」です。
短いスパンの振り返り
見える化と相互評価
チームとOBのつながり
管理職の巻き込み
これらを組み合わせることで、研修は単発で終わらず、人と組織が成長し続ける文化へと 変わっていきます。
◆ 最後に
私がこの取り組みを通して一番強く感じたのは、「人は変われる」という確信です。
根本的な性格や価値観は簡単には変わらなくても、学びを通じて行動の選択肢は 確実に増えます。
その一歩が、本人だけでなく、チームや会社全体を良くしていくのです。
◆ 次回予告:10/8(水)
次回はこれまでの内容をより深く掘り下げる「補足編」をお届けします。
どうぞお楽しみに!


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