第2回:管理職の「意識」が低いのか?── 本人に起きていることを見る
- watanabe nobuyuki
- 22 時間前
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■ 前回の整理
前回、こうお伝えしました。
「研修をやっているかどうか」ではなく、「管理職育成のどこに構造的な課題があるか」が問われる。
そして、課題はいくつかの層に分かれています。
今回は、その最初の層 ── 「個人」の層について整理します。
■ 「意識が低い」という説明が選ばれやすい理由
管理職の育成がうまくいかないとき、原因として最初に挙がるのは、多くの場合こうした見方です。
本人の意識が足りない
危機感が薄い
学ぶ姿勢が受け身になっている
この説明は、わかりやすく、そして扱いやすいという特徴があります。「意識の問題」であれば、研修で意識を変えればよい、という対策に直結するからです。
ただ、実際に管理職本人と向き合ってみると、少し違う実態が見えてきます。
■ 現場で起きているのは「意識の低さ」ではなく「認識のズレ」
多くの管理職は、担当業務をこなし、目標も一定水準で達成しています。致命的な問題を起こしているわけでもありません。
その一方で、組織側からは次のような期待が向けられています。
より高い視座でチームを動かしてほしい
部下の育成にもっと時間を割いてほしい
変化に対して自ら動いてほしい
本人の自己認識と、組織からの期待。 この二つの間には、しばしば見過ごされてはならないズレが存在します。
👉 問題は「意識が低い」ことではなく、「自分に何が期待されているかを、本人が正確に把握できていない」ことにあります。
■ なぜこのズレは放置されやすいのか
理由 01:致命的な問題が起きていない 目標は達成できているため、緊急性のある課題として扱われにくい。
理由 02:本人にとって「見えない」 組織からの期待は、明文化されていないことが多く、本人が自覚する機会が乏しい。
理由 03:伝える側にも迷いがある 評価者側も、期待をどこまで具体的に伝えるべきか、判断に迷うことがある。
結果として、ズレは「なんとなく感じてはいるが、言語化されないまま」の状態で放置されます。
■ この層だけを見て対策すると、何が起きるか
このズレを「個人の資質の問題」として処理すると、次のような対策に向かいがちです。
より評判の良い講師を選ぶ
研修の頻度を増やす
本人の「気づき」を促すコンテンツを強化する
これらは、間違った対策ではありません。 ただし、個人の層だけにアプローチしても、期待とのズレそのものは解消されません。
なぜなら、このズレは本人の中だけで生まれているのではなく、本人と組織の「関わり方」の中で生まれているからです。
👉 個人の認識を変えるためには、個人にだけ働きかけても不十分で、周囲との関わり方に踏み込む必要があります。
■ 次回に向けて
今回は、管理職育成における最初の層 ── 「個人」の層について整理しました。
ここで見えてきたのは、「意識」ではなく「認識のズレ」という論点、そしてそのズレが個人の中だけでは解消されない、という構造です。
次回は、その先にある「関係性」の層について考えます。
上司・部下・人事、それぞれの立場から見えている景色の違いが、育成にどう影響しているのか。そこを掘り下げます。




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