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第2回:管理職の「意識」が低いのか?── 本人に起きていることを見る

  • watanabe nobuyuki
  • 22 時間前
  • 読了時間: 3分

■ 前回の整理


前回、こうお伝えしました。

「研修をやっているかどうか」ではなく、「管理職育成のどこに構造的な課題があるか」が問われる。

そして、課題はいくつかの層に分かれています。

今回は、その最初の層 ── 「個人」の層について整理します。


■ 「意識が低い」という説明が選ばれやすい理由


管理職の育成がうまくいかないとき、原因として最初に挙がるのは、多くの場合こうした見方です。


  • 本人の意識が足りない

  • 危機感が薄い

  • 学ぶ姿勢が受け身になっている


この説明は、わかりやすく、そして扱いやすいという特徴があります。「意識の問題」であれば、研修で意識を変えればよい、という対策に直結するからです。


ただ、実際に管理職本人と向き合ってみると、少し違う実態が見えてきます。



■ 現場で起きているのは「意識の低さ」ではなく「認識のズレ」


多くの管理職は、担当業務をこなし、目標も一定水準で達成しています。致命的な問題を起こしているわけでもありません。

その一方で、組織側からは次のような期待が向けられています。


  • より高い視座でチームを動かしてほしい

  • 部下の育成にもっと時間を割いてほしい

  • 変化に対して自ら動いてほしい


本人の自己認識と、組織からの期待。 この二つの間には、しばしば見過ごされてはならないズレが存在します。


👉 問題は「意識が低い」ことではなく、「自分に何が期待されているかを、本人が正確に把握できていない」ことにあります。



■ なぜこのズレは放置されやすいのか


  • 理由 01:致命的な問題が起きていない   目標は達成できているため、緊急性のある課題として扱われにくい。

  • 理由 02:本人にとって「見えない」   組織からの期待は、明文化されていないことが多く、本人が自覚する機会が乏しい。

  • 理由 03:伝える側にも迷いがある   評価者側も、期待をどこまで具体的に伝えるべきか、判断に迷うことがある。


    結果として、ズレは「なんとなく感じてはいるが、言語化されないまま」の状態で放置されます。



■ この層だけを見て対策すると、何が起きるか


このズレを「個人の資質の問題」として処理すると、次のような対策に向かいがちです。

  • より評判の良い講師を選ぶ

  • 研修の頻度を増やす

  • 本人の「気づき」を促すコンテンツを強化する


これらは、間違った対策ではありません。 ただし、個人の層だけにアプローチしても、期待とのズレそのものは解消されません。

なぜなら、このズレは本人の中だけで生まれているのではなく、本人と組織の「関わり方」の中で生まれているからです。


👉 個人の認識を変えるためには、個人にだけ働きかけても不十分で、周囲との関わり方に踏み込む必要があります。


■ 次回に向けて


今回は、管理職育成における最初の層 ── 「個人」の層について整理しました。

ここで見えてきたのは、「意識」ではなく「認識のズレ」という論点、そしてそのズレが個人の中だけでは解消されない、という構造です。


次回は、その先にある「関係性」の層について考えます。

上司・部下・人事、それぞれの立場から見えている景色の違いが、育成にどう影響しているのか。そこを掘り下げます。



 
 
 

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