top of page

第3回 なぜ管理職は、一人で抱え込んでしまうのか?── 「関わり方」が変わらなければ何も変わらない

watanabe nobuyuki
8 時間前
読了時間: 3分

■ 前回の整理


前回、管理職育成における最初の層 ── 「個人」の層について整理しました。

そこで見えてきたのは、こういう構造でした。


管理職本人の意識が低いのではなく、本人の自己認識と組織からの期待の間に、言語化されていないズレがある。


そして、そのズレは本人の中だけでは解消されない、というところまでお伝えしました。


今回は、そのズレがなぜ本人の中だけでは解消されないのか ── 「関係性」の層に踏み込みます。


■ 期待は、誰かが伝えなければ「ズレたまま」になる


前回お伝えした「認識のズレ」は、放っておいて自然に埋まるものではありません。

埋まるとすれば、それは誰かとの関わりを通じてです。


  • 上司が期待を言葉にして伝える

  • 部下からのフィードバックで、自分の見え方に気づく

  • 人事が、組織として求める役割を明確に示す


つまり、ズレを埋める役割を担っているのは、本人ではなく、本人を取り巻く関係性です。


👉 個人の認識は、関わりの中でしか更新されません。



■ 同じ組織にいながら、見えている景色が違う


ここで難しいのは、上司・部下・人事の三者が、それぞれ違う景色を見ているという点です。


  • 上司から見た景色 部下である管理職に対して、より高い視座やリーダーシップを期待している。ただし、その期待を具体的な言葉にして伝える機会は、意外と少ない。



  • 部下から見た景色 管理職の指示や関わり方を日々受け取っている。違和感があっても、それを本人に直接伝えることは少ない。



  • 人事から見た景色 組織全体の育成方針や、階層に求める役割を設計している。ただし、個々の管理職が置かれている現場の状況までは、詳細に把握しきれていない。



三者とも、それぞれの立場から見えているものを前提に動いています。

悪意があるわけではなく、単純に「見えている範囲」が違うのです。



👉 見えている景色が違うまま関わり続けると、期待も、違和感も、方針も、正確には伝わりません。



■ 管理職が「一人で抱える」構造になる理由


上司からの評価は悪くない。部下からも、表立った不満は出てこない。

人事からも、特に指摘は受けない。一見、問題がないように見えます。

ただし本人の中では、次のような感覚が積み重なっていきます。


  • 何かが噛み合っていない気がするが、具体的に何かはわからない

  • 誰かに相談しようにも、何を相談すればいいのかが言語化できない

  • 結果として、一人で判断し、一人で抱え込む



👉 「一人で抱える」状態は、本人の性格や能力の問題ではなく、関わりの中でフィードバックが機能していないことの結果です。



■ この層への対策として、何が有効か


  • 視点 01 期待を具体的な言葉にして伝える機会をつくる

  • 視点 02 本人以外の視点を、本人にフィードバックする

  • 視点 03 一人で抱えないための「壁打ち相手」を用意する


これらは、研修という一過性の場だけでは実現しにくく、日常的な関わりの中に組み込む必要があります。



■ 次回に向けて


次回は、最後の層 ── 「仕組み」の層に進みます。どれだけ関わり方を変えても、それを支える仕組みがなければ、変化は一過性で終わってしまいます。



 
 
 

コメント


変化し続けることができる人と組織を作る

イノベーションアソシエイツ株式会社

〒150-6018

東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー18階

bottom of page