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【第3回】現場で“続く”経験学習——日報・週報・可視化・フォローのコツ

  • watanabe nobuyuki
  • 9月3日
  • 読了時間: 3分

更新日:9月6日


こんにちは。

第1回では「なぜ今、経験学習なのか」、第2回では「やって終わりを防ぐプログラム設計のポイント」についてお話ししました。

今回は、私が実際に現場で経験してきた「続く仕組み」と「続かせるための工夫」をご紹介します。

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◆ 「続く人」と「続かない人」が生まれるのは当たり前


まず最初にお伝えしておきたいのは、全員が100%続けられる研修なんて存在しないということです。

どんなに工夫しても、多忙やモチベーションの低下で提出が滞る人は一定数出ます。

大事なのは、そこで「なぜ続けられないのか」を突き詰めるより、“続く空気”をつくることです。


◆ 日報・週報は「短いスパンの振り返り」を仕掛ける


私は、短いスパンで振り返りを行うことを重視しています。

週報や日報の提出は、正直なところ手間に感じる人も多いでしょう。 でも、毎週・毎日「何をやったか」「どう感じたか」を言葉にする習慣がつくと、

  • 行動を意識する回数が増える

  • 小さな変化や気づきを見逃さなくなる

  • 現場での改善や工夫が自然と生まれる……

こうした変化が積み上がっていきます。


◆ “見える化”で自然に意識を高める


提出率や内容の質を上げるために私がよく使うのが、メーリングリストでの全員共有です。

受講者全員が同じリストに入っていると、誰が提出したかが自然に見える。 これだけでも「自分だけ提出していない」状態は作りにくくなります。

さらに、締め切り前日には全員に「○名中○名が提出済みです。未提出の方はお早めに」と案内を送ります。

ポイントは、個別には連絡しないこと。 あくまで全員へのお知らせにして、過度な圧をかけないようにしています。


◆ 未提出へのアプローチは“間接的に”


それでも出してこない人には、事務局にこう連絡します。 「○○さんが未提出ですが、現場で何か困っていませんか?」提出していないことを直接責めるのではなく、「現場に問題があるのでは?」と焦点をずらすのです。

こうすると、事務局や上司からの連絡も「何か困っていないか」という形になり、反発を生みにくく、提出のハードルを下げられます。


◆ 相互評価でアウトプットの質を上げる


もう一つの工夫は、受講者同士での相互評価です。

週報には「他の人の中で良かった文章を一つ選び、その理由を書く」という設問を入れます。これが意外と効果的で、

  • 選ばれた人は嬉しい

  • 選ばれなかった人は悔しい

  • 読み合うことで視野が広がる

  • “見られている”ことで適当には書けない

結果として、思考もアウトプットもどんどん質が上がっていくのを実感しています。


◆ “続ける文化”を作る


こうした小さな仕掛けを組み合わせることで、「提出するのが当たり前」という空気が生まれます。

続ける文化ができれば、新しい受講者も自然とその流れに乗れるようになります。


◆ 次回予告:9/10(水)


第4回では、チーム学習がなぜ行動定着を加速させるのか、そして離脱を防ぐ仕組みについて、さらに深く掘り下げます。

OB活用や、チームの相互作用で現場に変化が広がっていくプロセスもご紹介します。

 
 
 

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