【第9回:補足編】業種別カスタマイズ事例——経験学習の設計ポイント
- watanabe nobuyuki
- 15 分前
- 読了時間: 2分
こんにちは。
第8回では、経験学習研修のよくある失敗と回避策をご紹介しました。
今回は少し視点を変えて、業種・職種ごとの研修設計の違いについて、私の実践事例を交えてお話しします。
◆ 製造業:現場作業に根差した行動改善
特徴
現場での作業が中心
チームワークと安全性が重要
日々の行動改善が成果に直結
設計ポイント
日報・週報は「やった/やらなかった」だけでなく回数を数値化
安全・品質に直結する行動を1つ必ず振り返りに入れる
現場での改善事例は写真付きで共有(視覚的インパクト)
【事例】
ラインリーダーが「毎日パートさんに声をかける」を継続し、信頼関係が向上。
残業のお願いや相談がしやすくなり、業務効率も改善しました。
◆ 営業職:お客様との接点を“行動化”する
特徴
顧客との関係構築が成果の鍵
行動の質と量が数字に反映されやすい
振り返りは成果(受注)だけでなくプロセスが重要
設計ポイント
「訪問回数」「新規接点数」「質問数」などを定量化
振り返りでは必ず“お客様の反応”を記述
成功事例だけでなく、失敗事例からの学びも共有
【事例】
「訪問後に必ず2つ質問をする」ルールを設定。
結果、商談の質が上がり、顧客課題の深掘りが可能に。
◆ 管理職研修:部下育成とチーム運営の両立
特徴
部下の育成・評価が主要ミッション
自分の業務とマネジメントの両立が課題
行動の影響範囲が広い
設計ポイント
「部下へのフィードバック回数」や「1on1実施率」を数値化
月1回の振り返りでは“部下の変化”を必ず書く
他部署の管理職との共有会で視野を広げる
【事例】
部長クラスが「週1回、部下に行動フィードバック」を実践。
半年後には、部下からの主体的な提案が増え、会議が活性化しました。
◆ 共通の工夫
業種や職種が違っても、成果を出すための共通点はあります。
短いスパンでの振り返り(日報・週報)
数値と感情の両面を記録
仲間からのフィードバックを仕組みにする
写真やエピソードで成果を可視化
◆ まとめ
経験学習の強みは、業種や役割に合わせて柔軟に設計できることです。
現場のリアルな課題に即した行動目標と振り返りポイントを設定すれば、どんな職種でも効果を発揮します。
◆ 次回予告:10/22(水)
第10回では、「経験学習と他の研修手法との掛け合わせ」をテーマに、アクションラーニングやメンタリング、OJTとの相乗効果についてお伝えします。
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