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【第4回】チーム学習で行動定着を加速させる——離脱を防ぐ仕組みとOB活用

  • watanabe nobuyuki
  • 9月10日
  • 読了時間: 3分

こんにちは。

前回は、日報・週報や可視化、相互評価など、経験学習を“続けさせる”運用ノウハウをご紹介しました。

今回はさらに一歩踏み込み、チームの力を使って行動定着を加速させる方法と、離脱を防ぐ仕組みについてお話しします。

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◆ 「一人でやらない」ことが定着のカギ


経験学習を続ける中で強く感じるのは、人は一人では続けにくいということです。

モチベーションが下がったとき、忙しさに押されたとき——そんな時に踏みとどまれるのは、誰かと一緒にやっている感覚があるからです。

そこで私は、研修にチーム学習の要素を必ず組み込むようにしています。


◆ 相互評価で「見られている」意識を生む


週報や日報に、「他の受講者の中で良かった文章を一つ選び、その理由を書く」という設問を入れています。これにはいくつかの効果があります。

  • ポジティブフィードバックが自然に回る選ばれた人は嬉しい、次も頑張ろうと思える

  • 適度な競争心が芽生える選ばれないと悔しい、もう少し工夫しようと思える

  • “見られている”ことで適当には書けない結果的にアウトプットの質が上がる

さらに、一定期間ごとに「誰が何回選ばれたか」を全員に共有します。

ただし、「選ばれていない人」への指摘はせず、「なぜ選ばれたのかを考えてみてください」という問いかけにとどめることで、反発感を避けつつ質を高めています。


◆ 離脱防止の心理的効果


この“相互評価”は、単に質を高めるだけでなく、離脱防止にも効果があります。

提出をサボってしまうと、他の人からの評価の機会もなくなり、自然と「自分だけ外れてしまう」感覚が生まれる。

この心理的な仕掛けが、「とりあえず出そう」という行動を後押しします。


◆ OBフォローで縦のつながりをつくる


もう一つ有効なのが、研修OBを新しい受講者のフォロー役にする仕組みです。

  • OBは「続ける大変さ」を身をもって知っている

  • 新受講者の気持ちに共感しやすく、リアルな励ましやアドバイスができる

  • OB自身にとっても、自分の学びを再確認・深める機会になる

この縦のつながりがあると、研修は“その場限り”ではなく、世代を超えて学びが受け継がれる文化になっていきます。


◆ チームの力で「習慣」を文化に変える


チーム学習やOBフォローの仕組みは、単なるノウハウではなく、研修を組織の文化に変えていくプロセスでもあります。

「一緒にやる」「見てもらう」「教え合う」という経験は、受講者の行動を変えるだけでなく、組織全体のコミュニケーションや信頼関係にも影響を与えていきます。


◆ 次回予告:9/17(水)


第5回では、実際に現場で起きた行動変化や成果ストーリーを取り上げます。

「声かけ一つ」で人間関係が変わった例や、チーム全体が活性化した事例など、具体的な変化の瞬間をご紹介します。



 
 
 

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