第5回:3つの層は、同時に見なければならない

■ ここまでの整理
このシリーズでは、管理職育成が機能しない理由を、三つの層に分けて見てきました。
個人の層
本人の意識が低いのではなく、自己認識と組織からの期待の間に、言語化されていないズレがある。
関係性の層
そのズレは本人の中だけでは解消されず、上司・部下・人事それぞれの見えている景色の違いによって、一人で抱え込む状態が生まれる。
仕組みの層
関わり方を変えようとしても、それを継続させる仕組みがなければ、研修は「点」で終わり、行動の変化は定着しない。
三つの層は、それぞれ独立した問題ではなく、互いに影響し合っています。
■ なぜ「一つの層」だけでは解決しないのか
多くの組織では、この三つの層のうち、いずれか一つに焦点を当てて対策を講じます。
個人の層に焦点を当てれば、研修の内容や講師を見直す
関係性の層に焦点を当てれば、1on1の頻度を増やす
仕組みの層に焦点を当てれば、育成体系そのものを作り直す
これらは、いずれも間違った対策ではありません。 ただし、一つの層だけに手を打つと、次のようなことが起こります。
個人の意識だけ変えても、関係性が変わらなければ、変化は孤立し、続かない
関係性だけ変えても、仕組みがなければ、その関わりは一過性で終わる
仕組みだけ整えても、個人の認識のズレが放置されていれば、仕組みは形だけのものになる
👉 三つの層は連動しており、一つを直しても、他の層がそのままでは、 変化は定着しません。
■ 「同時に見る」ために、まず必要なこと
三つの層を同時に見る、と言っても、いきなりすべてに手を打つことは現実的ではありません。
最初に必要なのは、自社の場合、三つの層のうち、どこに、どの程度の課題があるのかを把握することです。
個人の認識のズレが大きいのか
関係性の中でのフィードバックが機能していないのか
継続する仕組みそのものが存在しないのか
この見立てを誤ると、時間とコストをかけた対策が、期待した効果を生まないまま終わってしまいます。
■ 現状を把握するための診断ツール
私たちは、このシリーズで扱ってきた三つの層に沿って、自社の管理職育成の現状を把握できる診断ツールを用意しています。
いくつかの質問に回答いただくことで、次のようなことが見えてきます。
個人
関係性
仕組み、それぞれの層の現状
特に課題が大きい層はどこか
次に着手すべき打ち手の方向性
診断結果はその場で画面上に表示され、営業のご連絡を前提としたものではありません。 まずは自社の現状を、客観的に把握していただくためのものです。
このシリーズを読んで、思い当たる部分があった方は、一度お試しいただければと思います。
▶ 管理職育成現状診断はこちら https://www.i-associates.co.jp/management-diagnostic
■ おわりに
管理職育成がうまくいかないとき、原因はどうしても「個人の意識」に帰結させたくなります。
しかし実際には、個人・関係性・仕組みという三つの層が絡み合い、どこか一つを直すだけでは変化が定着しない構造になっていることがほとんどです。
自社の管理職育成が、今どの層に課題を抱えているのか。 まずそこを把握することが、次の一歩につながります。




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